再発・難治多発性骨髄腫でのVd療法にselinexor追加でPFS延長:BOSTON試験
Once-per-week selinexor, bortezomib, and dexamethasone versus twice-per-week bortezomib and dexamethasone in patients with multiple myeloma (BOSTON): a randomised, open-label, phase 3 trial
背景
Selinexorは、XPO1を阻害する選択的核外輸送阻害薬(SINE)であり、第2相試験において3クラス抵抗性の多発性骨髄腫(MM)患者に対し一定の奏効を示している。ポーランドMedical University of SilesiaのGrosickiらは、世界21ヵ国で1-3ラインの治療歴を持つMM患者を対象に、selinexor+ボルテゾミブ+デキサメタゾンまたはボルテゾミブ+デキサメタゾンを割り付ける第3相ランダム化比較試験BOSTONを実施した(n=402)。
結論
フォローアップ期間中央値13.2ヵ月で、無増悪生存期間の中央値はselinexor追加群で13.93ヵ月、Vd療法群で9.46ヵ月であった(ハザード比0.70)。グレード3〜4の有害事象として血小板減少症、倦怠感、貧血、肺炎が好発した。グレード2以上の末梢神経障害はselinexor追加群で少なかった(オッズ比0.50)。selinexor追加群の24%、Vd療法群の30%が死亡した。
評価
ファースト・イン・クラスの経口薬で、最初の第3相である本試験において、標準Vd療法への追加によりPFSを延長することを示した。r/r MMでの新たな標準治療となりうる。MMのほか、DLBCLや神経膠腫などでも検証が行われている。

