術前化学療法後のctDNAでトリプルネガティブ乳がんの再発を予測する
Association of Circulating Tumor DNA and Circulating Tumor Cells After Neoadjuvant Chemotherapy With Disease Recurrence in Patients With Triple-Negative Breast Cancer: Preplanned Secondary Analysis of the BRE12-158 Randomized Clinical Trial
背景
早期のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者では、術前化学療法における奏効が再発に大きく影響するが、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)・血中循環腫瘍細胞(CTC)は再発を予測可能か。Indiana UniversityのRadovichらは、BRE12-158試験の事前指定二次解析を実施し、術前化学療法後のctDNA・CTCと再発・その他臨床アウトカムとの関連を評価した(n=196)。
結論
無遠隔疾患生存期間(DDFS)はctDNAが検出された女性で32.5ヵ月、検出されなかった女性で中央値未到達と、ctDNA検出は短いDDFSと関連した(ハザード比2.99)。24ヵ月DDFSは、ctDNA陽性患者56%、陰性患者81%であった。また無病生存期間(2.67)、全生存期間(4.16)についても同様であった。ctDNAとCTCの組み合わせは再発についての感度をさらに改善した。ctDNAとCTCがともに陽性の患者でDDFSのハザード比は5.29であり、24ヵ月DDFSは52%、ともに陰性の患者では89%であった。DFS(3.15)、OS(8.60)についても同様であった。
評価
術前化学療法後のリキッドバイオプシーにより、高精度で再発を予測できることを明らかにした。リキッドバイオプシーが陽性のTNBC患者において早期の介入が有効であるかを検証する、PERSEVERE(BRE18-334)試験が予定されている。