乳がん術後タモキシフェンの服薬アドヒアランスを血清検査で把握する
Serum Detection of Nonadherence to Adjuvant Tamoxifen and Breast Cancer Recurrence Risk
背景
閉経前HR陽性乳がんにおけるタモキシフェンによる術後ホルモン療法は、長期投与によりリスク低減効果が高まるが、服薬アドヒアランスが低いという報告もある。フランスInstitut Gustave RoussyのPistilliらは、乳がん治療毒性の評価を目的とした大規模前向研究CANTOに登録された閉経前女性1,177名において、処方1年後の血清タモキシフェン値に基づく生化学的非アドヒアランス率と半構造化インタビューによる自己申告非アドヒアランス率のそれぞれが無遠隔疾患生存率に与える影響を調査した。
結論
血清タモキシフェン値<60 ng/mLの閾値による、生化学的非遵守は患者の16.0%であった一方、患者の自己申告による非遵守率は12.3%であった。生化学的非遵守患者のうち、非遵守を自己申告したのは55%のみであった。血清評価から中央値24.2ヵ月のフォローアップ期間で、生化学的非遵守患者のDDFSは有意に短かった(ハザード比2.31)。また3年DDFS率は、非遵守コホートで89.5%、遵守コホートでは95.4%であった。
評価
5年を超える服薬が必要なタモキシフェン療法では服薬非遵守の把握が問題となってきたが、この研究は、血清中タモキシフェン濃度により自己申告によっては捉えられない服薬非遵守を特定できることを示した。この方法で捕捉された高リスク患者の情報を、どのように服薬介入へとフィードバックするかが問題となる。


