家族性大腸腺腫症(FAP)の進行予防でEflornithine・スリンダク併用は単剤に優らない
Eflornithine plus Sulindac for Prevention of Progression in Familial Adenomatous Polyposis
背景
家族性大腸腺腫症(FAP)のポリープは、治療しない場合ほとんどが大腸がんに至るため、化学的予防戦略が検討されている。Cleveland ClinicのBurkeらは、FAP成人を対象に、ODC阻害剤eflornithine、スリンダク、または両者の併用を比較するランダム化比較試験を実施した(n=171)。
結論
疾患進行はeflornithine群40%、スリンダク群38%、併用群32%でみられた。このうち大腸切除前の患者(n=37)では、進行はそれぞれ42%、46%、17%であった。直腸・回腸嚢ポリープ患者(n=34)の進行は42%、18%、36%、十二指腸ポリープ患者(n=100)の進行は39%、41%、36%であった。有害事象・重篤有害事象は各群とも同程度であった。
評価
過去のプラセボ対照RCT(http://doi.org/10.1158/1940-6207.CAPR-08-0042)では、eflornithineとスリンダクの併用により腺腫再発が大幅に減少することが示されていたが、このRCTでは単剤と比して有意な差は認められなかった。