アベマシクリブ、HER2陽性乳がんでもベネフィットか:第2相monarcHER試験
Abemaciclib plus trastuzumab with or without fulvestrant versus trastuzumab plus standard-of-care chemotherapy in women with hormone receptor-positive, HER2-positive advanced breast cancer (monarcHER): a randomised, open-label, phase 2 trial
背景
CDK4/6阻害薬アベマシクリブは、HR陽性・HER2陰性乳がんにおいて高い有効性を示している。Dana-Farber Cancer InstituteのTolaneyらは、2ライン以上の治療歴を有するHR陽性・HER2陽性の進行乳がん患者を、アベマシクリブ+トラスツズマブ+フルベストラント(A群)、アベマシクリブ+トラスツズマブ(B群)、標準化学療法+トラスツズマブ(C群)に1:1:1で割り付ける第2相多施設ランダム化比較試験monarcHERを実施した(n=237)。
結論
フォローアップ期間中央値19.0ヵ月で、無増悪生存期間はA群で8.3ヵ月、C群で5.7ヵ月と有意な差が生じた(ハザード比0.67)。B群の無増悪生存期間は5.7ヵ月で差はなかった(0.94)。グレード3・4の治療による有害事象としては好中球減少症が各群とも多くみられた。治療による死亡は2件、B群とC群で発生した。
評価
HER2陰性乳がんだけでなく(http://doi.org/10.1200/JCO.2017.73.7585)、HER2陽性例でも有効性を示した。HER2陽性患者でケモフリーレジメンの可能性が示された点でもインパクトは大きい。