リンチ症候群でのアスピリン服用は大腸がんを予防する:CAPP2試験の10年結果
Cancer prevention with aspirin in hereditary colorectal cancer (Lynch syndrome), 10-year follow-up and registry-based 20-year data in the CAPP2 study: a double-blind, randomised, placebo-controlled trial
背景
CAPP2試験は、世界43施設のリンチ症候群患者(n=861)を2年間のアスピリン(一日600mg)またはプラセボ治療に割り付けるランダム化比較試験であり、初期報告では有効性に差はなかったものの、2011年にアスピリン群での癌発生が有意に低下したことを報告している。イギリスNewcastle UniversityのBurnらは、同試験の予定フォローアップ期間10年の終了に伴い、その結果を報告した。
結論
総フォローアップ期間は約8,500人年となった。アスピリン群の9%、プラセボ群の13%が大腸がんを発症し、アスピリン群でハザード比が有意に低下した(ハザード比0.65)。2年間の介入を完了し患者(n=509)に限ったper protocol解析では、ハザード比は0.56、発症率比は0.50であった。大腸以外のリンチ症候群関連がんはアスピリン群の36名、プラセボ群の36名で報告され、群間差はなかった。リンチ症候群関連がん全体では、per-protocol解析でのみアスピリンの有効性が認められた(ハザード比0.63)。有害事象は両群同等であった。
評価
56ヵ月時点での報告(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(11)61049-0)に続いて、この10年結果でも大腸がん予防効果が認められた。一日量を300mgや100mgに減らすCaPP3試験も行われている(ISRCTN16261285)。


