再発膠芽腫でのニボルマブ利益示せず:CheckMate 143試験
Effect of Nivolumab vs Bevacizumab in Patients With Recurrent Glioblastoma: The CheckMate 143 Phase 3 Randomized Clinical Trial
背景
膠芽腫の標準的治療は外科的切除とその後の放射線治療・化学療法であり、近年では免疫チェックポイント阻害薬も検証されているが、明確なベネフィットは示されていない。Dana-Farber/Harvard Cancer CenterのReardonらは、放射線治療・テモゾロミド療法後の初回再発膠芽腫患者に、ニボルマブまたはベバシズマブを割り付ける第3相国際ランダム化比較試験CheckMate 143を実施した(n=369)。
結論
MGMTプロモーター領域のメチル化は、ニボルマブ群の23.4%、ベバシズマブ群の22.7%に、非メチル化患者はそれぞれ32.1%、36.2%であった(残りは未報告)。フォローアップ期間中央値9.5ヵ月で、全生存期間はニボルマブ群9.8ヵ月、ベバシズマブ群10.0ヵ月であり差はなかった(ハザード比1.04)。12ヵ月生存率は両群とも42%であった。客観的奏効率はベバシズマブ群で高かった(7.8% vs. 23.1%)。
評価
多くのがんでゲームチェンジャーとなっている免疫チェックポイント阻害薬だが膠芽腫に対しては芳しくなく、この試験でもベバシズマブと同等という結果となった。ネオアジュバント設定での使用が有望という報告(https://doi.org/10.1038/s41591-018-0337-7)があり、今後の検証に期待がかかる。

