血液検査とPET-CTを組み合わせる検診戦略で多様ながんを発見:DETECT-A
Feasibility of blood testing combined with PET-CT to screen for cancer and guide intervention
背景
がん検診で一般的に用いられるバイオマーカーはPSAなどに限られるが、現在複数の癌腫を検出可能な血液検査の開発が進んでいる。Johns Hopkins UniversityのLennonらは、がん診断歴のない女性参加者10,006名において、ベースライン検査と確認検査の2つからなるDETECT-A血液検査を行う前向研究を実施した。
結論
DETECT-Aにより26のがんが検出された、うち15名はフォローアップのPET-CTを受け、9名が外科的治療を受けた。加えて標準的な検診により24のがんが検出され、さらに46のがんが他のプロセス(患者の自覚症状など)で発見された。DETECT-Aの陽性的中率は19%、PET-CTと組み合わせた場合は41%となった。
評価
DNA・タンパク質バイオマーカーにより多様な臓器のがんを検出可能な、CancerSEEK(http://doi.org/10.1126/science.aar3247)の原型となった血液検査で、この研究でも標準的な検診法が存在しない14種のがんがDETECT-Aによって発見された。PET-CTによるフォローアップと組み合わせて無益な侵襲的処置を最小化できたことも重要で、標準的検診を補完する有望戦略である。

