PD-1阻害薬とPD-L1阻害薬、どちらがいいのか:系統的レビュー・メタ解析
Use of Immunotherapy With Programmed Cell Death 1 vs Programmed Cell Death Ligand 1 Inhibitors in Patients With Cancer: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
PD-1、およびそのリガンドPD-L1に対する免疫チェックポイント阻害は、がん治療に革命をもたらしたが、PD-1阻害薬とPD-L1阻害薬はどちらが優れるのか。中国National Cancer CenterのDuanらは、がん患者においてPD-1阻害薬・PD-L1阻害薬を標準治療と比較したすべてのランダム化比較試験から、PD-1阻害薬とPD-L1阻害薬の有効性・安全性を評価するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
19件のRCTが含まれた(N=11,379)。PD-1阻害薬ではニボルマブ、ペムブロリズマブ、PD-L1阻害薬ではアテゾリズマブ、アベルマブが含まれた。PL-1阻害薬は、PD-L1阻害薬と比して全生存期間(ハザード比0.75)、無増悪生存期間(0.73)とも優れた。安全性プロフィルに有意な差はみられなかった。
評価
あくまで間接的比較であり個々のセッティングでの薬剤選択に影響を与える結果ではないが、「PD-1阻害とPD-L1阻害に本質的な違いがあるのか」という問いへ足がかりをもたらすデータである。