レックリングハウゼン病小児にselumetinibが有効
Selumetinib in Children with Inoperable Plexiform Neurofibromas
背景
神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)は、色素斑や神経線維腫などを特徴とする遺伝性疾患であるが、神経に沿って生じる蔓状神経線維腫は悪性腫瘍に転換するリスクを有する。National Cancer InstituteのGrossらは、外科的切除不能な蔓状神経線維腫を有する小児に一日2回、一サイクル28日のselumetinib投与を行い、奏効・臨床的ベネフィットを検討する第II相試験を実施した(n=50)。
結論
部分奏効が35名(70%)で確認され、うち28名は1年以上の持続的な奏効であった。治療開始1年後の時点で、疼痛スコア(11段階)は平均2ポイント減少した。また日常生活機能、健康関連QOL、筋力、可動域にも有意な改善が認められた。Selumetinibに関連する可能性のある毒性により5名で治療中止、疾患の進行は6名でみられた。
評価
メラノーマ、肺がんなどで検証され、RCT結果は不調に終わったMEK阻害薬であったが、RAS-MEK経路が関与するNF1に転用された。この試験ではNF1小児で有意な臨床的改善を示し、同疾患では初のFDA承認を受けた。