CAR NK細胞療法、CD19陽性リンパ腫・CLLでのパイロット研究で高奏効
Use of CAR-Transduced Natural Killer Cells in CD19-Positive Lymphoid Tumors
背景
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は大きな効果を示しているが、サイトカイン放出症候群などの重篤な副作用があり、製造も複雑かつ高コストである。University of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのLiuらは、再発・難治CD19陽性腫瘍(非ホジキンリンパ腫・マン性リンパ性白血病)患者11名に、HLA不一致の臍帯血に由来するCD19標的化キメラ抗原受容体を導入したナチュラルキラー細胞を投与した。
結論
CAR NK細胞の投与は、サイトカイン放出症候群・神経毒性・移植片対宿主病と関連せず、炎症性サイトカインのレベル上昇も見られなかった。11名のうち、8名(73%)で奏効があり、このうち7名は完全寛解であった。奏効までの期間はいずれの用量でも30日以内であった。
評価
患者個別の細胞に由来せず、CAR療法のコストを大きく引き下げることが期待されるレディメイドなオルタナティブである。このパイロット研究でも再発・難治患者の3/4に奏効をもたらし、その有望性を示した。


