放射線性晩期膀胱炎への高気圧酸素治療、有効性示す:RICH-ART試験
Radiation-induced cystitis treated with hyperbaric oxygen therapy (RICH-ART): a randomised, controlled, phase 2-3 trial
背景
前立腺がんに対する放射線治療後に生じる膀胱・消化器などの晩期障害では、高気圧酸素治療の有効性が報告されているが、ランダム化比較試験での検証は1件のみである。スウェーデンAngereds NarsjukhusのOscarssonらは、6ヵ月以上前に骨盤に放射線治療を受けた晩期放射線性膀胱炎患者を、高気圧酸素治療または標準ケアに割り付ける第2-3相多施設ランダム化比較試験RICH-ARTを実施した(n=87)。
結論
EPIC排尿総合スコアの変化は、高気圧酸素療法群で10.1ポイント、標準ケア群で7.7ポイントであった。高気圧酸素療法中に41%の患者が、グレード1・2の視聴覚有害事象を経験した。
評価
標準的な支持療法よりも有意に排尿機能を改善した。この試験では治療回数30〜40回と患者負担は大きいものの、考慮すべきオプションとなる。


