Googleチームがマンモグラフィ読影AIを開発、検診精度が向上
International evaluation of an AI system for breast cancer screening

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Nature
年月
January 2020
577
開始ページ
89

背景

乳がんマンモグラフィ検診については放射線科医ごとの結果のバラツキ、偽陽性・偽陰性が問題となってきたが、人工知能はこの問題を改善することができるのか。Google HealthのMcKinneyらは、乳癌を特定するためのディープラーニングモデルを開発し、イギリス(n=25,856)・アメリカ(n=3,097)のデータセットにおいてそのパフォーマンスを検証し、さらに6名の放射線科医の読影と比較した。

結論

アメリカのデータセットにおいては、AIにより偽陽性が5.7%、偽陰性は9.4%減少した。二重読影が行われるイギリスのデータセットでも偽陽性が1.2%、偽陰性は2.7%減少した。6名の放射線科医との比較では、AIは全員を上回った(AUCで0.115差)。またイギリスの二重読影プロセスへの組み込みシミュレーションでは、AIにより、読影パフォーマンスを低下させることなく第二読影者の仕事量を88%削減しうることが示された。

評価

偽陽性はがん検診の有効性そのものを左右する問題であり、AIにより改善可能なことが示された意義は大きい。AIが信頼できる第二読影者として登場する日は近いかもしれない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)