T-DM1後のHER2陽性乳がんにTrastuzumab Deruxtecan:DESTINY-Breast01試験
Trastuzumab Deruxtecan in Previously Treated HER2-Positive Breast Cancer
背景
HER2陽性乳がんには抗HER2抗体による確立された治療戦略があるが、トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)による二次治療後に進行をみた患者での標準ケアはない。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのModiらは、T-DM1治療歴のあるHER2陽性転移乳がん患者で、抗体薬物複合体trastuzumab deruxtecanの推奨用量を確立し、有効性・安全性を評価する第2相試験DESTINY-Breast01を実施した(n=184)。
結論
60.9%の患者で奏効が報告された。フォローアップ期間中央値11.1ヵ月で、奏効持続は14.8ヵ月、無増悪生存期間は16.4ヵ月であった。グレード3以上の有害事象として、好中球数減少、貧血、悪心が多くみられた。また患者の13.6%で間質性肺疾患と関連した。
評価
重既治療患者で高い臨床ベネフィットを示し、この試験の結果に基づきFDAの迅速承認を受けた。第3相試験DESTINY-Breast03が行われている(NCT03529110、JapicCTI-183976)。


