アロステリック阻害薬asciminibが登場、TKI失敗後のCMLで活性
Asciminib in Chronic Myeloid Leukemia after ABL Kinase Inhibitor Failure
背景
チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場は慢性骨髄性白血病(CML)の生存率を大きく改善したが、TKIに不耐であったり抵抗性となる患者も存在する。オーストラリアUniversity of AdelaideのHughesらは、2ライン以上のTKIに抵抗性、または忍容できない副作用のあった慢性期(n=141)・移行期(n=9)のCML患者で、アロステリック阻害薬asciminib(ABL001)の安全性と活性を検証する第1相用量漸増試験を実施した。
結論
患者の70%は3ライン以上のTKI歴を有した。最大耐量には達しなかった。血液学的再発の慢性期患者の92%が血液学的完全寛解となり、細胞遺伝学的完全寛解でなかった患者の54%が細胞遺伝学的完全寛解となった。分子遺伝学的効果は、12ヵ月目までに48%で達成された。用量制限毒性としてリパーゼレベルの上昇、膵炎があり、有害事象としては疲労・頭痛・関節痛・高血圧・血小板減少が一般的であった。
評価
Asciminibは重既治療CMLにおいて安全かつ有望な活性を示した。サードラインでの第3相ASCEMBL試験(NCT03106779)のほか、他剤との併用も検証が始まっている。