閉経後のHR+/HER2-進行乳がんでは化学療法よりホルモン療法とCDK4/6阻害剤:メタ解析
Endocrine treatment versus chemotherapy in postmenopausal women with hormone receptor-positive, HER2-negative, metastatic breast cancer: a systematic review and network meta-analysis
背景
進行したHR陽性・HER2陰性乳がん患者では内分泌療法が標準治療とみなされており、さらにCDK4/6阻害薬の追加も利益を示している。イタリアUniversity of Naples Federico IIのGiulianoらは、閉経後のHR陽性・HER2陰性転移乳がん患者の初回・二次治療において、化学療法(±標的療法)または内分泌療法(±標的療法)を検討したすべての第2相・第3相試験を特定するシステマティックレビューとネットワークメタアナリシスを実施した。
結論
140件の研究(50,029名)が解析に含まれた。パルボシクリブ+レトロゾール、アベマシクリブ+アナストロゾール・レトロゾール、パルボシクリブ+フルベストラント、アベマシクリブ+フルベストラント、エベロリムス+エキセメスタン、PIK3CA変異患者でのalpelisib+フルベストラントなどが、アナストロゾールよりも優良な無増悪生存期間(PFS)と関連した。PFSについてパルボシクリブ+レトロゾールを上回る化学療法、内分泌療法レジメンは存在しなかった。パクリタキセル+ベバシズマブは奏効患者の割合で、パルボシクリブ+レトロゾールに優った。
評価
包括的なネットワークメタ解析により、内分泌療法とCDK4/6阻害薬の併用で最も高い効果が見込まれることを確認し、現行ガイドラインの推奨を裏付けた。


