家族性リスク女性での乳がん検診、MRIかマンモグラフィか:オランダFaMRIsc試験
MRI versus mammography for breast cancer screening in women with familial risk (FaMRIsc): a multicentre, randomised, controlled trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet Oncology
年月
August 2019
20
開始ページ
1136

背景

乳がん家族歴を有する女性では乳がん発症率が上昇するが、この集団での検診はMRIとマンモグラフィ、いずれが相応しいのか。オランダErasmus University Medical CenterのSaadatmandらは、同国12施設の、生涯乳がんリスク20%以上でBRCA1・BRCA2・TP53遺伝子変異のない30〜55歳の女性を、毎年のMRI・臨床検査と隔年のマンモグラフィ(MRI群)、または毎年のマンモグラフィ・臨床検査(マンモグラフィ群)に割り付けるランダム化比較試験FaMRIscを実施した(n=1,355)。

結論

平均4.3回の検診が実施された。乳がん検出はMRI群40件、マンモグラフィ群15件と、MRI群で増加した。浸潤がんのサイズ中央値はMRI群で小さく(9 mm vs. 17 mm)、リンパ節陽性の割合も低かった(17% vs. 63%)。

評価

家族歴はあるが遺伝的素因のない女性では、MRI乳がん検診により、マンモグラフィと比べて乳がん検出が倍以上に増加した。コストや偽陽性リスクとのトレードオフを議論する上でも重要なデータであるが、乳がん死亡に与える影響を評価するためにはより長期のフォローアップが必要となる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)