DDTと乳がん:思春期以前の曝露は閉経前乳がんと関連
DDT and Breast Cancer: Prospective Study of Induction Time and Susceptibility Windows
背景
「p, p’-DDT」はかつて農薬として広く用いられていたが、危険性が指摘された70年代以降、先進国では使用が禁止された。Child Health and Development StudiesのCohnらは、同研究(N=15,528)で発症した50-54歳の乳がん(n=153)と生年でマッチングした対照(n=432)によるコホート内症例対照研究で、妊娠中および産後直後に採集された血液サンプルを分析し、p, p’-DDT曝露レベル・時期と乳がんリスクとの関連を調査した。
結論
p, p’-DDT曝露は、すべての女性において50-54歳の閉経後早期乳がんリスクと関連し(オッズ比1.99)、この関連はもっぱら乳幼児期以降の初回曝露によって説明可能であった(2.83)。50歳以前の閉経前乳がんについては、乳幼児期から思春期での初回曝露と関連があったが(3.70)、それ以降の初回曝露では関連しなかった。
評価
カーソン『沈黙の春』によってその危険性への注目が集まり、アメリカでは1972年に使用が禁止された(日本では71年)DDTであるが、40年以上の時を経ても乳がんリスクとなること、曝露のタイミングがこのリスクに大きな影響を与えることを確認した。


