BRCA関連がん家族歴のある女性はまずリスク評価、ついで遺伝カウンセリングを:USPSTF新勧告
Risk Assessment, Genetic Counseling, and Genetic Testing for BRCA-Related Cancer in Women: Updated Evidence Report and Systematic Review for the US Preventive Services Task Force

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
August 2019
322
開始ページ
666

背景

BRCA1・BRCA2遺伝子の変異は乳がん・卵巣がんのリスクを高めるが、このリスクを軽減する介入はどのようなものか。Oregon Health & Science UniversityのNelsonらは、BRCA関連がんのリスク評価・遺伝カウンセリング・遺伝子検査に関するアメリカ予防サービス医療専門委員会(USPSTF)勧告の更新に合わせて、レビューの更新を行った。.

結論

110報、103件の研究が含まれた(N=92,712)。リスク評価・遺伝カウンセリング・遺伝子検査とBRCA関連癌罹患率・死亡率との関連を評価した研究はなかった。カウンセリングのためのリスク評価ツール(8種類)は、AUROCで0.68-0.96の精度を有した。遺伝カウンセリングでの研究は、カウンセリングが心配・不安・うつの現象と関連することを示した。タモキシフェン・ラロキシフェン・アロマターゼ阻害薬はそれぞれ浸潤がんリスクを低下させたが、これはBRCAキャリアーに限られなかった。乳房切除は、乳がん罹患の90%-100%減少、乳がん死亡の81%-100%減少と関連し、卵巣摘出は、卵巣がんの69%-100%減少と関連した。

評価

6年ぶりに更新されたUSPSTFの新たな勧告に反映された(http://doi.org/10.1001/jama.2019.10987)。個人歴・家族歴を有する、またはBRCA家系の女性はリスク評価ツールでの評価を、陽性の場合はカウンセリング、さらに遺伝子検査へと進むことが推奨されている(B推奨)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)