BRCA関連がん家族歴のある女性はまずリスク評価、ついで遺伝カウンセリングを:USPSTF新勧告
Risk Assessment, Genetic Counseling, and Genetic Testing for BRCA-Related Cancer in Women: Updated Evidence Report and Systematic Review for the US Preventive Services Task Force
背景
BRCA1・BRCA2遺伝子の変異は乳がん・卵巣がんのリスクを高めるが、このリスクを軽減する介入はどのようなものか。Oregon Health & Science UniversityのNelsonらは、BRCA関連がんのリスク評価・遺伝カウンセリング・遺伝子検査に関するアメリカ予防サービス医療専門委員会(USPSTF)勧告の更新に合わせて、レビューの更新を行った。.
結論
110報、103件の研究が含まれた(N=92,712)。リスク評価・遺伝カウンセリング・遺伝子検査とBRCA関連癌罹患率・死亡率との関連を評価した研究はなかった。カウンセリングのためのリスク評価ツール(8種類)は、AUROCで0.68-0.96の精度を有した。遺伝カウンセリングでの研究は、カウンセリングが心配・不安・うつの現象と関連することを示した。タモキシフェン・ラロキシフェン・アロマターゼ阻害薬はそれぞれ浸潤がんリスクを低下させたが、これはBRCAキャリアーに限られなかった。乳房切除は、乳がん罹患の90%-100%減少、乳がん死亡の81%-100%減少と関連し、卵巣摘出は、卵巣がんの69%-100%減少と関連した。
評価
6年ぶりに更新されたUSPSTFの新たな勧告に反映された(http://doi.org/10.1001/jama.2019.10987)。個人歴・家族歴を有する、またはBRCA家系の女性はリスク評価ツールでの評価を、陽性の場合はカウンセリング、さらに遺伝子検査へと進むことが推奨されている(B推奨)。


