がん全身療法中の急性腎障害、なお10人に一人
Acute Kidney Injury in Patients Receiving Systemic Treatment for Cancer: A Population-Based Cohort Study
背景
がん治療中の患者では急性腎障害(AKI)のリスクが上昇することが知られるが、現代の治療アプローチにおける疫学に関しては十分なデータがない。カナダUniversity of TorontoのKitchluらは、2007〜2014年にカナダ・オンタリオ州でがんの全身治療を開始した全ての患者(n=163,071)を対象に、AKI・急性透析による入院の発生率を調査した。
結論
10,880名がAKIを発症した。AKI率は1000人年あたり27件、累積発症率は9.3%であった。5年AKI発症率が高かったがんは、骨髄腫(26%)、膀胱がん(19.0%)、白血病(15.4%)であった。AKIリスクと関連する因子として進行がん(調整ハザード比1.41)、慢性腎不全(1.80)、糖尿病(1.43)があった。66歳以上の患者での利尿薬の使用(1.20)、ACE阻害薬とARBの併用(1.30)もAKIリスクであった。また全身治療開始後90日間はAKIリスクが高かった(2.34)。
評価
カナダの集団ベースコホートから、がん患者のAKIリスクに最新のデータをもたらした。特に高リスクの患者では、薬の代替や用量の変更などが議論される必要がある。


