FGFR変異を有する進行・転移膀胱がんにFGFR阻害薬Erdafitinibが登場:第2相BLC2001試験
Erdafitinib in Locally Advanced or Metastatic Urothelial Carcinoma
背景
尿路上皮がんでは線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)遺伝子の異常がしばしば見られるが、特に免疫チェックポイント阻害薬の有効性が低いサブタイプで高率に認められる。フランスUniversite Paris-SudのLoriotらは、FGFR変異が認められた化学療法歴のある局所進行・有転移尿路上皮がん患者を対象として、用量選択部・用量漸増部からなる第2相試験BLC2001を実施し、FGFRチロシンキナーゼ阻害剤erdafitinibの抗腫瘍活性を評価した。
結論
用量選択部の中間解析結果に基づき、開始用量は8 mg/dの毎日投与に決定した。このレジメンで99名が中央値5サイクルのerdafitinib投与を受けた。奏効率は40%で、うち完全奏効が3%、部分奏効が37%であった。免疫療法歴のある22名での奏効率は59%であった。無増悪生存期間は中央値5.5ヶ月、全生存期間は13.8ヶ月であった。グレード3以上の治療関連有害事象は46%で報告されたが、おおむね用量調整によって管理可能であった。有害事象による治療中止率は13%であった。
評価
この結果によりerdafitinibは、FGFR2/3変異進行尿路上皮がん患者を対象としてFDAの迅速承認を受け、膀胱がんでは初の承認標的薬となった。化学療法・ペムブロリズマブと比較する第3相THOR試験も進行中である。


