高リスク限局性前立腺がん、標準治療へのドセタキセル追加で死亡減：RTOG 0521試験
Effect of Chemotherapy With Docetaxel With Androgen Suppression and Radiotherapy for Localized High-Risk Prostate Cancer: The Randomized Phase III NRG Oncology RTOG 0521 Trial
背景
ドセタキセル化学療法は、転移を有する去勢感受性前立腺がんの標準治療への追加で生存利益を示しているが、高リスク限局性前立腺がんでの利益は確立されていない。Sutter Medical Group and Sutter Cancer CentersのRosenthalらは、転移のない高リスク限局性前立腺がん患者を、根治的放射線治療＋長期アンドロゲン抑制またはそれへの補助ドセタキセル追加をランダムに割り付ける多施設試験NRG Oncology RTOG 0521を実施した（n=612）。
結論
4年全生存率はRT＋AS群89%、RT＋AS＋CT群93%であった（ハザード比0.69）。6年遠隔転移率はそれぞれ14%・9.1%であり（0.60）、6年無病生存率は55%・65%であった（0.76）。
評価
類似のセッティングでは、GETUG-12試験やSPCG-13試験が明確な利益を示すことに失敗したが、本試験ではドセタキセル追加により死亡が3割減少した。特に高リスクな患者で、重要な選択肢とみなされうる。
