前立腺がんでの「超」寡分割照射は非劣性:HYPO-RT-PC試験の5年結果
Ultra-hypofractionated versus conventionally fractionated radiotherapy for prostate cancer: 5-year outcomes of the HYPO-RT-PC randomised, non-inferiority, phase 3 trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet
年月
June 2019
Online first
開始ページ
Online first

背景

一回線量を増やし照射回数・総線量を減らす寡分割照射による放射線治療は、前立腺がんで繰り返し検証されてきた。スウェーデンUmea UniversityのWidmarkらは、中間〜高リスク前立腺がん患者を、超寡分割照射(42.7 Gy/ 7 fr)または標準的分割照射(78.0 Gy/ 39 fr)に割り付ける第3相ランダム化比較非劣性試験HYPO-RT-PCを実施した(n=1,200)。

結論

89%が中間リスク、11%が高リスク患者であった。フォローアップ期間中央値5年で、5年無病生存率は超寡分割群・従来分割群とも84%であった。超寡分割群では、RTOGグレード2以上の泌尿器毒性がわずかに増加したが(28% vs. 23%)、晩期毒性に差はなかった。

評価

これまで検証されてきた前立腺がんでの寡分割照射は19〜28回であったが、本試験ではわずか2.5週、7回の超寡分割照射が非劣性を示した。患者と医療施設双方にとって魅力的なオプションとなる。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)