術前治療で完全奏功となった直腸がん患者で切除は必要か
Assessment of a Watch-and-Wait Strategy for Rectal Cancer in Patients With a Complete Response After Neoadjuvant Therapy
背景
進行直腸がんでの術前治療は臨床的完全寛解(cCR)をもたらす場合があるが、cCRを達成した患者で待期戦略watch-and-waitは安全か。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのSmithらは、術前治療によりcCRを達成し待期戦略に同意した患者(n=113)および全直腸間膜切除を受け病理学的完全寛解(pCR)とされた患者(n=136)を対象とする後向ケースシリーズ解析を行い、待期戦略のアウトカムを評価した。
結論
待期患者のうち22名で局所再増殖が認められ、サルベージ手術が行われた。pCR患者での骨盤内再発はなかった。待期患者の82%で直腸温存に成功した。5年全生存率は待期患者で73%、pCR患者では94%であった。疾患特異的生存率はそれぞれ90%、98%であった。待期群での遠隔転移は、局所再増殖を有した患者で多くみられた(36% vs. 1%)。
評価
欧米では進行直腸がんに対するTotal Neoadjuvant Treatmentの登場以来、watch-and-waitの採用が増加しているとみられるが、本ケースシリーズでは高い直腸温存率を示しはしたものの、生存アウトカムは悪化した。考慮に値するオプションとみなされるためには、高再発リスク患者を検出するイノベーションが不可欠である。


