現行の遺伝子検査ガイドラインは多くの遺伝性乳がんを取り逃がす
Underdiagnosis of Hereditary Breast Cancer: Are Genetic Testing Guidelines a Tool or an Obstacle?
背景
乳がん・卵巣がん患者の約1割が遺伝性素因を持つと考えられているが、その多くは遺伝子検査を受けていない。Dallas Surgical GroupのBeitschらは、20施設の乳がん患者のうちこれまで遺伝子検査を受けたことのない患者で、80遺伝子パネル検査を行い、生殖細胞系列遺伝子検査に関するNational Comprehensive Cancer Networkガイドラインの包括性を評価した。
結論
959名の記録が解析された。479名(50%)がNCCN基準を満たし、480名(50%)は満たさなかった。全体の8.65%が。病因性またはおそらく病原性の(P/LP)バリアントを有した。P/LPバリアントの割合は、NCCN基準を満たした患者で9.4%、満たさなかった患者では7.9%であり、統計的有意差はなかった。
評価
遺伝子検査が高コストだった時代に確立されたNCCNガイドラインはもっぱらBRCA1・BRCA2バリアントに焦点を当てており、P/LPバリアントの半数を見逃している可能性がある。多遺伝子パネル検査の時代に合わせたアップデートが急務である。


