進行乳がんでのフルベストラント・アナストロゾール併用の利益は長期的:SWOG S0226試験
Overall Survival with Fulvestrant plus Anastrozole in Metastatic Breast Cancer
背景
SWOG S0226試験は、閉経後の転移を有するHR陽性乳がん患者(n=707)での初回治療として、アロマターゼ阻害薬アナストロゾールと選択的エストロゲン受容体抑制薬フルベストラントの併用、またはアナストロゾール単独を割り付ける第III相ランダム化比較試験であり、先に無増悪生存期間と全生存期間の延長を報告している。University of California IrvineのMehtaらは、同試験における生存アウトカムの最終報告を行った。
結論
併用群の71%、アナストロゾール単独群の76%が死亡し、全生存期間中央値はそれぞれ49.8ヶ月、42.0ヶ月であった(ハザード比0.82)。サブグループ解析では、タモキシフェン治療歴のない患者でOSベネフィットが確認された(52.2ヶ月 vs. 40.3ヶ月、ハザード比0.73)。グレード3-5の有害事象の長期発生率は両群で同等であった。
評価
FACT試験(http://doi.org/10.1200/JCO.2011.38.1095)・SoFEA試験(http://doi.org/10.1016/S1470-2045(13)70322-X)は無効に終わったが、S0226試験では45%という高いクロスオーバー率にもかかわらず、併用群の長期的ベネフィットが示された。閉経後・HR陽性・有転移乳がんでのファーストライン・オプションとなりうる。