高リスク乳がんに対する乳房切除後の放射線治療、寡分割照射は非劣性
Hypofractionated versus conventional fractionated postmastectomy radiotherapy for patients with high-risk breast cancer: a randomised, non-inferiority, open-label, phase 3 trial
背景
放射線療法を受ける患者の利便性のために、一回線量を増やし照射回数・総線量を減らす寡分割照射がさまざまなセッティングで検証されている。中国Peking Union Medical CollegeのWangらは、4つ以上の腋窩リンパ節陽性またはT3-4ステージで乳房切除を受ける乳がん患者を、従来分割照射(5週間で50 Gy/25 fr)または寡分割照射(3週間で43.5 Gy/15 fr)を割り付ける第III相・単施設・ランダム化比較・非劣性試験を実施した(n=820)。
結論
フォローアップ期間中央値58.5ヶ月で、寡分割照射群31名・通常照射群29名で局所領域再発があった。5年累積局所領域再発率は8.3%・8.1%であり、寡分割照射は非劣性であった。グレード3の急性皮膚毒性が通常照射群で多かったが(3% vs. 8%)、他に急性・晩期毒性に有意な群間差はなかった。
評価
このセッティングでは初めてのRCT検証であり、寡分割照射の非劣性が示された。乳房切除後の放射線治療における、より利便性の高いオプションとして容認される。


