進行卵巣がんでのリンパ節郭清は有害無益:LION試験
A Randomized Trial of Lymphadenectomy in Patients with Advanced Ovarian Neoplasms
背景
進行卵巣がんの外科的治療においては骨盤内・傍大動脈リンパ節の系統的郭清が一般的に行われるが、エビデンスは堅固ではない。ドイツKliniken Essen-MitteのHarterらは、肉眼的完全切除をうけるFIGOステージIIBからIVの卵巣がん患者を、リンパ節郭清の有無に割り付け全生存期間を評価するランダム化比較試験LIONを実施した(n=647)。
結論
リンパ節郭清群での切除リンパ節の中央値は57個であった。全生存期間は、非リンパ節郭清群で中央値69.2ヶ月、リンパ節郭清群で65.5ヶ月であり(ハザード比1.06)、無増悪生存期間は両群とも25.5ヶ月であった(1.11)。重篤な術後合併症はリンパ節郭清群で多く報告された。
評価
後腹膜リンパ節郭清は進展度を測る上では有用であるが、臨床的に陰性と考えられる場合ではアウトカムには差はないとみられる。実践への変更を迫る無効結果である。