進行肺がんでの次世代シーケンシングcfDNA検査は治療個別化に資する
Clinical Implications of Plasma-Based Genotyping With the Delivery of Personalized Therapy in Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer

カテゴリー
がん
ジャーナル名
JAMA Oncology
年月
February 2019
5
開始ページ
173

背景

血中循環DNAの血漿ベース次世代シーケンシング(NGS)検査は徐々に一般化している。University of PennsylvaniaのAggarwalらは、ルーチン的管理の一貫として血漿NGS検査を実施した転移を有する非小細胞肺がん患者のコホートで、NGS検査が変異の検出を向上させるか検討した(n=323)。

結論

血漿NGS検査のみを受けた29.1%の患者のうち、33.0%で治療標的変異が検出され、侵襲的検査が回避可能であった。血漿と組織の両方について検査を受けた患者のうち、組織検査のみで治療標的変異を検出したのは20.5%で、血漿検査によりこの数値は35.8%まで上昇した。血漿検査結果に基づいた標的治療を受けた患者の85.7%で奏効・病勢安定がもたらされた。

評価

血漿ベースcfDNA検査は従来型生検の重要な補完とみなされるだろう。また、血漿検査のみの患者の一部で侵襲的検査が回避可能であったことから、血漿NGSを最初に行い変異がみられなければ組織検査へ、という新たなアプローチも示唆される。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)