トリプルネガティブ乳がんサードラインでの抗体薬物複合体sacituzumab govitecan-hziy
Sacituzumab Govitecan-hziy in Refractory Metastatic Triple-Negative Breast Cancer
背景
Sacituzumab govitecan-hziy(IMMU-132)は、抗Trop-2抗体とイリノテカンの活性代謝産物SN-38を結合させたADCである。Harvard Medical SchoolのBardiaらは、進行した上皮細胞がんにsacituzumab govitecan-hziyを投与する多施設・第1/2相試験IMMU-132-01を行い、このうち2ライン以上の治療歴を有するトリプルネガティブ乳がん患者(n=108)について安全性・有効性を報告した。
結論
4名が治療中に死亡、3名が有害事象により治療を中止した。奏効率は33%であり、奏効持続期間は中央値7.7ヶ月であった。臨床的有用率は45.4%であった。無増悪生存期間・全生存期間はそれぞれ中央値5.5ヶ月・13.0ヶ月であった。
評価
先行結果(http://doi.org/10.1200/JCO.2016.70.8297)によりFDAの画期的新薬指定を受けていたが、多重既治療TNBC全体でも標準的化学療法よりも高い奏効率を示した。サードラインで化学療法と比較する第III相ASCENT試験が進行している(NCT02574455)。