がん患者での禁煙補助薬、投与期間の延長で有効性増:ランダム化比較試験
A randomized controlled trial of 24 weeks of varenicline for tobacco use among cancer patients: Efficacy, safety, and adherence
背景
がん診断後にも喫煙を継続することは治療の有効性を阻害し、死亡リスクを高めるため、癌患者での禁煙指導は重要である。University of PennsylvaniaのSchnollらは、近縁の希望を持つ診断5年以内のがん患者を対象に、7回のカウンセリングに加えて、バレニクリン12週+プラセボ12週または24週のバレニクリンを割り付けるランダム化比較試験を実施した(n=207)。
結論
24週・52週時点での点喫煙率・継続喫煙率に群間差はなかった。服薬順守は治療群の点喫煙率(オッズ比2.31)・継続喫煙率(5.82)と相互作用した。順守患者では24週群で点喫煙率(60.5% vs. 44.7%)・継続喫煙率(44.2% vs. 27.7%)とも高かった。副作用・有害事象・高血圧に群間差はなかった。
評価
NCCN禁煙ガイドラインが強調する通り、がん診断後であっても健康上の利益を得るのに遅すぎるということはないが、この集団で禁煙補助薬を検証したRCTは多くない(http://doi.org/10.1002/pon.4166)。この試験全体での禁煙成功率は高いとは言えないものの、アドヒアランスが長期服用の有効性を高めることが示された。


