再発膠芽腫での術前ペムブロリズマブで生存期間倍増
Neoadjuvant anti-PD-1 immunotherapy promotes a survival benefit with intratumoral and systemic immune responses in recurrent glioblastoma
背景
免疫チェックポイント阻害剤の使用は膠芽腫についても検討されているが、現在まで十分な結果は得られていない。University of California, Los AngelesのCloughesyらのIvy Foundation Early Phase Clinical Trials Consortiumは、手術可能な膠芽腫をランダムに術前ペムブロリズマブまたは術後ペムブロリズマブに割り付ける多施設ランダム化パイロット研究を実施した。
結論
フォローアップ期間中央値15.6ヶ月で、全生存期間の中央値は術前ペムブロリズマブ群13.7ヶ月・術後ペムブロリズマブ群7.5ヶ月と、術前ペムブロリズマブ群で有意に延長した(ハザード比0.39)。術前ペムブロリズマブはT細胞・インターフェロン-γ関連の遺伝子発現と関連した。また術前ペムブロリズマブ群では、腫瘍微小環境におけるPD-L1誘導、T細胞のクローン拡大、末梢血T細胞のPD-1発現減少、単球集団の減少がみられた。
評価
有効な治療ウィンドウを探索した試験で、術前のPD-1阻害が大きな利益をもたらすことを初めて示した。術前ニボルマブを検討した併載論文では、再発患者での効果は見られなかったものの、初発患者で長期の寛解が達成された(https://doi.org/10.1038/s41591-018-0339-5)。