浸潤性膀胱がんでの術前補助化学療法はGCよりddMVACか
Downstaging and Survival Outcomes Associated With Neoadjuvant Chemotherapy Regimens Among Patients Treated With Cystectomy for Muscle-Invasive Bladder Cancer
背景
筋層浸潤性膀胱がんでは膀胱全摘前の術前補助化学療法が有効であることが示されており、ゲムシタビン・シスプラチン(GC療法)が標準とされる。H. Lee Moffitt Cancer CenterのPeytonらは、同施設で膀胱全摘を受けたT2以上の膀胱癌患者の連続サンプルから、GCまたはdose-denseのメトトレキサート・ビンブラスチン・ドキソルビシン・シスプラチン(ddMVAC療法)による術前化学療法と腫瘍減量・完全奏効・全生存との関連を検討した(n=824)。
結論
40%が術前補助化学療法を受けた。ダウンステージング率は、ddMVAC群52.2%・GC群41.3%・ゲムシタビン+カルボプラチン群27.0%であり、完全奏効率は41.3%・24.5%・9.4%であった。ddMVACは、GCと比して高頻度のダウンステージング(オッズ比1.84)・完全奏効(2.67)と関連した。ddMVAC群は生存率に関しても他レジメンより良好であったが、統計的有意差には達しなかった(ハザード比0.44)。
評価
このセッティングでレジメン同士を比較したRCTは多くない。本研究は単施設の後向研究ではあるが、ddMVAC療法が最も有効性が高いらしいこと、ゲムシタビン+カルボプラチン療法には事実上効果がないことを明らかにした。