CAR-T細胞療法の費用効率性は長期の有効性次第
Cost Effectiveness of Chimeric Antigen Receptor T-Cell Therapy in Relapsed or Refractory Pediatric B-Cell Acute Lymphoblastic Leukemia
背景
キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法tisagenlecleucelは、再発・難治性のB細胞急性リンパ性白血病(ALL)において有望とみられているが、現在最も高額ながん治療法でもある。Stanford UniversityのLinらは、小児再発・難治性B細胞ALLにおけるtisagenlecleucelの費用効率性を、ブリナツモマブ、クロファラビン併用化学療法、クロファラビン単独療法と比較した。
結論
5年無再発生存率が40%と仮定すると、tisagenlecleucelは余命を12.1年延長し、費用は1 QALY(質調整生存年)あたり61,000ドルとなった。5年無再発生存率が20%と仮定した場合には、余命延長は3.8年、費用は151,000ドル/QALYと高額になった。5年無再発生存率0%で移植への橋渡しとして用いる場合には、それぞれ5.7年、184,000ドル/QALYとなった。価格を現在の475,000ドルから200,000ドルまたは350,000ドルに引き下げると、全てのシナリオで妥当なwillingness-to-pay閾値に収まった。
評価
JAMA Pediatrics誌の論文で、別グループによる検証も行われている(http://doi.org/10.1001/jamapediatrics.2018.2530)。効果が長期的な場合には、(高額な薬価にもかかわらず)tisagenlecleucelは費用効率的であると考えられたが、長期的でない場合には現在の価格設定は正当化できない。


