医師はがん検診の害について患者に語りたがらない
Evaluating Shared Decision Making for Lung Cancer Screening
背景
利益の確立されたがん検診であっても一方には害があることから、医師と患者がそのバランスについて話し合うことが重要とされる。University of North CarolinaのBrennerらは、プライマリーケア医または呼吸器科医とその患者との会話(n=14)について定性的内容分析を行い、低線量CTによる肺がん検診に関する意志決定の共有(SDM)が行われているか調査した。
結論
SDMの度合いを評価するObserving Patient Involvement in Decision Making(OPTION)スコアの中央値は、100点満点で6であった。12項目のSDM行動のうち8項目では、最小基準を満たす会話が1件もなかった。会話の時間は平均13分07秒で、うち平均59秒が検診について費やされた。医師はつねに肺がん検診を推奨し、検診の害についての議論は事実上存在しなかった。意志決定支援ツールや教育ツールは使用されなかった。
評価
予想される結果ではあるが、(ガイドラインの推奨にもかかわらず)がん検診に関するSDMは極めて貧弱であった。医師がSDMに消極的になる要因の探索、SDMを促進するための介入が必要とされている。


