転移性前立腺がんでの放射線治療追加はオリゴメタ患者で利益:STAMPEDE試験
Radiotherapy to the primary tumour for newly diagnosed, metastatic prostate cancer (STAMPEDE): a randomised controlled phase 3 trial
背景
進行がんの一部では原発腫瘍に対する局所治療が行われることがあるが、転移性前立腺がんでの放射線治療のベネフィットは知られていない。イギリスRoyal Marsden HospitalのParkerら(STAMPEDE)は、新規診断された転移性前立腺がん男性を、通常治療の長期アンドロゲン遮断療法への放射線治療追加または通常治療のみに割り付ける第III相ランダム化比較試験を実施した(n=2,061)。
結論
放射線治療は、治療奏効維持生存期間を延長したものの(ハザード比0.76)、全生存期間は延長しなかった(0.92)。放射線治療はよく忍容され、放射線治療中では5%、放射線治療後では4%の有害事象(RTOGグレード3-4)が報告された。重篤有害事象が報告された患者の割合は同等であった。
評価
全体でのベネフィットは示されなかったものの、4割を占める低転移負荷患者での事前指定サブグループ解析では放射線治療により生存率が改善した(3年生存率:81% vs. 73%)。この結果により放射線治療は、オリゴメタ前立腺がん患者における説得力のあるオプションとみなされるだろう。


