低脂肪食は乳がん女性の死亡リスクを低減する:Women’s Health Initiativeランダム化比較試験より
Association of Low-Fat Dietary Pattern With Breast Cancer Overall Survival: A Secondary Analysis of the Women’s Health Initiative Randomized Clinical Trial
背景
Women's Health InitiativeのDietary Modification Trialは、50〜79歳の閉経後女性(n=48,835)を食事改善介入または対照群に割り付け、各種アウトカムを比較する多施設RCTであり、先に低脂肪食が乳がん患者の死亡を減少させることを報告している。City of Hope National Medical CenterのChlebowskiらは、同試験の介入期間中に乳がんと診断された参加者(n=1,764)での二次解析により、低脂肪食パターンと乳がん全生存率との関連を検討した。
結論
10年全生存率は、食事介入群82%・対照群78%と介入群で高かった(HR:0.78)。介入群では、乳がんによる死亡(68名 vs. 120名、HR:0.86)、他のがんによる死亡(36名 vs. 65名、HR:0.76)、心血管死亡(27名 vs. 64名、HR:0.62)とも少ない傾向にあった。
評価
低脂肪食群での乳がん死亡の減少は有意ではなかったものの、他原因による死亡の減少と合わせて、生存率の改善に寄与した可能性がある。全脂肪摂取と乳がんリスクについてはなお未確定な部分が大きいが、健康的な食事は常に理にかなった選択である。


