焦点式超音波と感温性リポソームで腫瘍だけに抗がん剤を届ける
Safety and feasibility of ultrasound-triggered targeted drug delivery of doxorubicin from thermosensitive liposomes in liver tumours (TARDOX): a single-centre, open-label, phase 1 trial
背景
全身抗がん剤治療は健康な組織にも毒性をもたらすため、いかに腫瘍のみに集中的に薬物を送達するかが探求されてきた。University of OxfordのLyonらは、39.5°Cで薬物(ドキソルビシン)を放出する感温性リポソームと焦点式超音波による局所温熱療法により、腫瘍への薬物送達を促進する技法の安全性と実行可能性を評価するため、肝がん患者(n=10)を対象とする第I相試験TARDOXを実施した。
結論
腫瘍生検でのドキソルビシン濃度は、薬物注入直後の2.34 μg/gから焦点式超音波後には8.56 μg/gに上昇した。10人中7人で2〜10倍の濃度増がみられた。重篤な有害事象としてグレード4の好中球減少症が5人で見られた。治療関連死はなかった。
評価
リゾ感温性リポソーム化ドキソルビシン(LTLD)は、ラジオ波焼灼療法との組み合わせで検討されており、焼灼時間の長いサブグループで有効と見られているが(http://doi.org/10.1158/1078-0432.CCR-16-2433)、より低侵襲な新手法でドラッグデリバリーを大きく改善した。さらなる検証に値する注目アプローチである。


