BRCA変異陽性の進行乳がんにPARP阻害剤Talazoparib:第III相EMBRACA試験
Talazoparib in Patients with Advanced Breast Cancer and a Germline BRCA Mutation
背景
BRCA遺伝子変異を有する進行乳がんに対してはPARP阻害剤olaparibが効果を示している。University of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのLittonらは、生殖細胞系列BRCA1/2変異を有する進行乳がん患者を、PARP阻害剤talazoparibまたは主治医選択化学療法に2:1で割り付ける第III相ランダム化試験EMBRACAを実施した(n=431)。
結論
無増悪生存期間の中央値は、talazoparib群8.6ヶ月・対照群5.6であった(ハザード比0.54)。中間解析での死亡ハザード比は0.76であった。客観的奏効率はtalazoparib群で高く(62.6% vs. 27.2%、オッズ比5.0)、グレード3/4の血液学的有害事象はtalazoparib群で高く(55% vs. 38%)、患者報告アウトカムはtalazoparib群で優った。
評価
OlympiAD試験のオラパリブ(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1706450)に続いてPFSの優位な改善を示した。PARP阻害剤と化学療法あるいは免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせについても研究が進行中である。


