進行肺がんでの多遺伝子パネル検査は生存率を改善しない
Association of Broad-Based Genomic Sequencing With Survival Among Patients With Advanced Non-Small Cell Lung Cancer in the Community Oncology Setting
背景
非小細胞肺がん(NSCLC)ではALK融合遺伝子変異とEGFR遺伝子変異の検査が推奨されているが、広範囲の遺伝子を調べるパネル検査も普及しつつある。Ohio State UniversityのPresleyらは、Flatiron Health Databaseにおけるコミュニティがん診療所の進行NSCLC患者で、広範囲ゲノムシーケンシング(30遺伝子以上の多遺伝子パネル検査)とルーチン検査(ALK遺伝子・EGFR遺伝子)と生存アウトカムとの関連を調査した(n=5,688)。
結論
15.4%が広範囲ゲノムシーケンシングを、84.6%がルーチン検査を受けた。広範囲検査を受けた患者の4.5%がこの検査に基づく標的治療を受け、9.8%はEGFR/ALK標的治療を受けた。未調整の12ヶ月死亡率は、広範囲検査群49.2%・ルーチン検査群35.9%であったが、操作変数解析ではそれぞれ41.1%・44.4%で有意差はなかった。傾向スコア解析でも同様であった(42.0% vs. 45.1%)。
評価
広範囲ゲノム検査による治療ガイドについてのエビデンスは乏しく、数少ないランダム化試験SHIVAではPFSを改善しなかった(http://doi.org/10.1016/S1470-2045(15)00188-6)。この後向調査でも生存率の改善は見られなかったが、ROS1変異やMET変異が発見された患者125名のうち、これに基づく治療を受けたのはわずか36名で、検査結果を標的治療に結びつける体制に不備がある可能性がある。


