がん患者における診断後1ヶ月の脳血管リスクは一般の6倍
New diagnosis of cancer and the risk of subsequent cerebrovascular events
背景
がんと診断された患者では、診断の直後からさまざまなリスクが上昇することが知られる。Weill Cornell MedicineのNaviらは、Reasons for Geographic and Racial Differences in Strokeの参加者(n=6,602)において、悪性腫瘍の新規診断と脳血管イベント(脳卒中および一過性脳虚血発作)の関連を前向調査した。
結論
追跡期間中に1,149名ががんの診断を受けた。がんのない参加者と比較して、がん患者では診断後30日の脳血管イベントリスクが上昇した(ハザード比6.1, 調整後ハザード比6.6)。この関連は30日を超えて持続しなかった。脳血管イベントリスクは、静脈血栓塞栓症リスクが高いとされる癌腫で特に高かった。
評価
がん診断はそれ自体がストレッサーとして働く(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1110307)が、がんに伴う凝固亢進状態や治療による血栓リスクの上昇により心血管イベントが増加すると考えられている。


