乳がんアロマターゼ阻害剤による関節痛に鍼治療は有効か:RCTで検証
Effect of Acupuncture vs Sham Acupuncture or Waitlist Control on Joint Pain Related to Aromatase Inhibitors Among Women With Early-Stage Breast Cancer: A Randomized Clinical Trial
背景
アロマターゼ阻害剤(AI)は早期乳がん女性での術後療法として広く利用されているが、多くの患者が関節痛・筋肉痛に苦しむ。Columbia UniversityのHershmanらは、AI治療を受ける早期閉経後乳がん患者を、6週12回の鍼治療、経穴部位外へ短く細い鍼で刺鍼する偽治療、または待機リスト入りに2:1:1で割り付けるランダム化比較試験を実施した(n=226)。
結論
6週後のBPI-WP疼痛スコアは、鍼治療群で2.05ポイントの低下、偽治療群では1.07ポイント、待期対照群では0.99ポイントの低下となり、鍼治療群で有意に低下した。グレード1の挫傷は鍼治療群で偽治療群より多かった(47% vs. 25%)。
評価
AI療法による関節痛は治療の中断にもつながる重大な副作用である。この問題に関する最大規模のRCT検証となる本試験では、鍼治療群で有意な疼痛軽減が見られたものの事前に指定された「臨床的意義のある疼痛減」には至らなかった。


