血中腫瘍DNAで免疫療法での偽性進行を見抜けるか？
Association Between Circulating Tumor DNA and Pseudoprogression in Patients With Metastatic Melanoma Treated With Anti-Programmed Cell Death 1 Antibodies
背景
免疫チェックポイント阻害剤による治療では、腫瘍の増大や新病変の出現後に奏効が現れ始めることがあり、pseudoprogression(偽性進行)と呼ばれる。オーストラリアMacquarie UniversityのLeeらは、PD-1抗体薬による治療を受ける進行悪性黒色腫患者(n=125)において、ベースライン時・治療12週目の血中循環腫瘍DNA(ctDNA)がpseudoprogressionと真の進行を弁別可能か検討した。
結論
RECIST基準による病勢進行は29名(23.2%)で発生した。このうち31%がpseudoprogression、69%が真の進行であった。Pseudoprogressionと確認された9名は全員、良好なctDNAプロファイル(ベースライン非検出または12週目までに1/10未満に減少)を有した。追跡期間中央値110週時点で、うち7名が生存していた。真の進行患者では、2名を除いて不良ctDNAプロファイルであった。Pseudoprogressionに関するctDNAの感度は90%、特異度は100%であった。
評価
Pseudoprogressionは免疫療法臨床における重大問題であり、ctDNAがpseudoprogressionの高精度マーカーとなる可能性が示された意義は大きい。確認されれば免疫療法における強力な治療意志決定ツールとなりうる。
