再発膠芽腫に組み替えポリオウイルスで長期生存も
Recurrent Glioblastoma Treated with Recombinant Poliovirus
背景
遺伝子組換えによりがん細胞特異的な殺細胞効果を持たせたガン治療用ウイルスが、近年次々と臨床試験に登場している。Duke University Medical CenterのDesjardinsらは、グレードIV悪性神経膠腫の連続患者において、組換え非病原性ポリオ-ライノウイルスキメラ(PVSRIPO)の用量設定と安全性の評価を行った(n=61)。
結論
第II相での用量として用量レベル-1(5.0×10^7 TCID50)が特定された。用量制限毒性は1件見られた(グレード4の頭蓋内出血)。用量拡大相では患者の19%で、グレード3以上のPVSRIPO関連有害事象が発生した。PVSRIPO投与患者の生存曲線は24ヶ月でプラトーに達し(21%)、36ヶ月まで持続した。
評価
初期の結果によりFDAの画期的新薬指定を受けている。奏効患者での効果は持続的で、2年・3年生存率では歴史的対照群を上回った。PVSRIPOが認識するCD155は、他の癌腫でも発現することから神経膠腫以外での利用にも期待が持たれる。