キャビンアテンダントはがんに罹りやすい
Cancer prevalence among flight attendants compared to the general population
背景
旅客機の乗務員は高高度での宇宙線被ばくや不規則な勤務スケジュールなどのがんリスク因子にさらされていると考えられるが、そのがんリスクは十分検討されてこなかった。Harvard T.H. Chan School of Public HealthのMcNeelyらは、Harvard Flight Attendant Health Studyの参加者(n=5,366)における自己報告によるがん有病率を、National Health and Nutrition Examination Surveyの一般集団(n=2,729)と比較した。
結論
同等の社会経済的ステータスを有する一般集団と比較して、キャビンアテンダントではすべてのがんの有病率が高く、特に乳がん(年齢調整標準化有病比1.51)・悪性黒色腫(2.27)・非メラノーマ皮膚がん(4.09)で高かった。在職期間は女性での非メラノーマ皮膚がんと有意に相関し、男性ではメラノーマ・非メラノーマ皮膚がんと非有意ながら相関した。3人以上の子供を持つ女性では、在職期間と乳がん診断が関連した。
評価
この問題に関する最大規模の調査であり、既存研究と同様のがんリスク上昇を確認した。いくつかの原因が挙げられているが、特に宇宙放射線についてはEUが要求しているような放射線量モニタリングが必要かも知れない。