膵がんの5%にがん素因遺伝子の変異
Association Between Inherited Germline Mutations in Cancer Predisposition Genes and Risk of Pancreatic Cancer
背景
がん素因遺伝子のはたらきは乳がんや卵巣がん、大腸がんなどで知られており、家族性発癌リスクの高い個人の同定に役立っている。Mayo ClinicのHuらは、膵がん診断患者(n=3,030)とデータ対照群(n=123,136)によるケースコントロール解析を行い、がん素因遺伝子における遺伝性生殖細胞変異と膵がんの関連を検討した。
結論
対照群と比して、膵がん患者ではCDKN2A(0.3%; オッズ比12.33)・TP53(0.2%; 6.70)・MLH1(0.13%; 6.66)・BRCA2(1.9%; 6.20)・ATM(2.3%; 5.71)・BRCA1(0.6%; 2.58)が有意に多くみられた。
評価
疫学的調査では膵がんの1-2割が遺伝的素因を持つとされてきたが、この調査では膵がん家族歴を持つ患者の7.9%、家族歴のない患者でも5.2%でがん関連変異を有することが明らかにされた。


