血中ビタミンD濃度と大腸がんリスク
Circulating Vitamin D and Colorectal Cancer Risk: An International Pooling Project of 17 Cohorts
背景
ビタミンDは特に大腸がんに対してがん予防効果を持つことが示唆されているが、疫学的調査・ランダム化試験とも決定的な結論を引き出せていない。American Cancer SocietyのMcCulloughらは、17コホートの大腸がん患者(n=5,706)および対照参加者(n=7,107)の個人レベルデータから、血中25-ヒドロキシビタミンD濃度と大腸がんリスクの関連を推定した。
結論
骨の健康に十分な濃度(50〜62.5 nmol/L)と比較して、25(OH)D欠乏(<30 nmol/L)は大腸がんリスクの上昇と関連し(相対リスク1.31)、十分以上の濃度(75〜87.5・87.5〜100 nmol/L)はリスク低下と関連した(0.81・0.73)。さらなる高濃度(100 nmol/L以上)ではリスクの低下は続かなかった。25(OH)D濃度が25 nmol/L増えるごとに、女性では19%、男性で7%リスクが低下した(女性のみ有意)。
評価
国際的コンソーシアムから共通の検査法で測定されたビタミンD濃度を用いた、信頼性の高い検証である。大腸がん予防効果が標準を上回る血中濃度で現れることを示し、先行RCTが不首尾に終わった原因に一定の説明を与える。