進行肺がんファーストラインでのアテゾリズマブ追加:IMpower150試験
Atezolizumab for First-Line Treatment of Metastatic Nonsquamous NSCLC
背景
抗PD-L1抗体アテゾリズマブは治療歴のある非小細胞肺がん(NSCLC)に対して承認されている。Florida Hospital Cancer InstituteのSocinskiらは、進行した非扁平上皮NSCLC患者をアテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(ACP)・ベバシズマブ+CP(BCP)・ABCPに割り付ける第III相多国籍ランダム化試験IMpower150を実施した(n=1,202)。
結論
EGFR・ALK野生型患者では、ABCP群の無増悪生存期間が8.3ヶ月、BCP群では6.8ヶ月と、ABCP群で延長した(ハザード比0.62)。全生存期間はABCP群19.2ヶ月・BCP群14.7ヶ月であった(0.78)。このうちエフェクターT細胞遺伝子(Teff)高発現患者のPFSは、それぞれ11.3ヶ月・6.8ヶ月であった(0.51)。EGFR・ALKの変異患者を含むITT集団、PD-L1低・無発現患者、Teff低発現患者、肝転移患者でも、ABCP群でのPFS延長がみられた。
評価
VEGF阻害との組み合わせにより有意な生存利益がもたらされることを示し、FDAの優先審査に付された。扁平上皮がんでのIMpower131試験(NCT02367794)もポジティブ結果を発表している。


