乳がん21遺伝子アッセイ、中間リスク患者でも術後化学療法は不要:TAILORx試験
Adjuvant Chemotherapy Guided by a 21-Gene Expression Assay in Breast Cancer
背景
21遺伝子アッセイは乳がん術後再発リスク層別化での有効性が確立されており、補助療法の決定に用いられているが、最も多数をしめる中間リスク患者へのベネフィットは未明であった。Albert Einstein College of MedicineのSparanoらは、HR陽性・HER2陰性・腋窩リンパ節陰性乳がん女性でOncotype DX検査を行い、中間リスク(再発スコア11-25)の患者を化学療法+ホルモン療法またはホルモン療法単独に割り付けるランダム化試験TAILORxを実施した(n=6,711)。
結論
侵襲的再発なき生存率のハザード比は1.08で、ホルモン療法単独の非劣性が示された。9年目での無侵襲生存率は、ホルモン療法単独群83.3%・化学+ホルモン療法群84.3%であり、無遠隔再発率はそれぞれ94.5%・95.0%、無再発率92.2%・92.9%、全生存率は93.9%・93.8%であった。無侵襲生存率における化学療法のベネフィットは50歳以下・再発スコア16-25の患者で認められた。
評価
低リスク群での結果は2015年に発表されているが(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1510764)、今回の結果と併せ、HR+・HER2-早期乳がんの7割で術後化学療法が不要であることが示された。


