免疫チェックポイント阻害剤の効果は男性の方が大きい?:RCTのメタ解析
Cancer immunotherapy efficacy and patients' sex: a systematic review and meta-analysis
背景
免疫システム応答には男女で差がある可能性が指摘されているが、免疫チェックポイント阻害剤の有効性に性差は存在するか。イタリアEuropean Institute of OncologyのConfortiらは、PD-1阻害剤・CTLA-4阻害剤のランダム化臨床試験における患者性別と死亡リスクの関連を評価するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
性別ごとの全生存率を報告した20件のRCTが含まれた(n=11,351)。32%が悪性黒色腫、31%が非小細胞肺がんであった。対照群と比した全生存期間のハザード比は男性患者で0.72、女性患者では0.86と有意な差があった。
評価
一般にがん罹患・死亡率は男性で高く、この差を男女の免疫応答の差によって説明する試みもあるが、免疫チェックポイント阻害剤が女性で効きにくいという本結果は、こうした仮説と整合するかもしれない。いずれにせよ、免疫療法の研究・試験デザインは有効性に男女差がある可能性を想定する必要がある。


